2025.10.16

Repro「スマホ新法とアプリ外決済・課金についての消費者調査」を実施。アプリ外決済・課金の金銭的メリットを80%以上が知らない

~アプリ事業者に求められる正しく早い消費者への情報提供~

マーケティングソリューションの提供によりWebとアプリの収益最大化を支援するRepro株式会社は、2025年9月19日~2025年9月20日にスマートフォンユーザー1,860名を対象とした「スマホ新法とアプリ外決済・課金についての消費者調査」を実施いたしました。その結果と分析について発表いたします。

【図】スマホ新法とアプリ外決済・課金についての消費者調査のイメージ

■調査実施の背景

2025年12月18日、「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(以下、スマホ新法)」が全面施行されます。スマートフォンの国内保有率は90.6%(「令和6年版 情報通信白書」総務省)に達しており、消費者の生活に欠かせないインフラのひとつ。スマホ新法の施行は日常生活に大きな変化をもたらすでしょう。

一方、各種メディアでの報道はまだ始まったばかりの段階です。消費者に十分に情報が行き届いているとはいえません。生活に与えるインパクトとスマホ新法に対する認知度合いにギャップがある状態といえます。

そして、スマホ新法が消費者に与える影響の中でも、最も直接的かつ金銭的な影響をもたらすと考えられているのが「アプリ外決済・課金」の直接誘導解禁です。本調査は「アプリ外決済・課金」に対する消費者の認知状況やニーズ、懸念、加えてアプリ事業者が取るべき行動を明らかにすることを目的に実施しました。

「スマホ新法とアプリ外決済・課金についての消費者調査」詳細レポートをダウンロードする
https://repro.io/books/external-purchase-survey-2025/

■主なポイント

  1. アプリ外決済・課金の認知率は38.2%にすぎない
  2. アプリ外決済・課金の金銭的メリットを83.8%が知らない
  3. アプリ課金時の主な決済手段は「クレジットカード/デビットカード(43.2%)」と「PayPay(27.7%)」
  4. アプリ外決済・課金に対して消費者が求める金銭的メリットは「10%以上、20%未満」の割引率・増量率(20.5%)
  5. アプリ外決済・課金への最も大きな心理的ハードルは「セキュリティ・個人情報保護対策(40.3%)」

■調査結果抜粋

【1】アプリ外決済・課金そのものの認知

アプリの課金方法に「アプリ外決済・課金」という方法があること自体を知っているかを尋ねたところ、「他人に説明できる程度に知っていた」と答えた人は全体の10.5%、「知っていたが他人には説明できない」と回答した人は27.7%にすぎませんでした。実に61.7%が「まったく知らなかった」と回答しています。

【グラフ】アプリ外決済・課金の認知状況(全体)

【2】アプリ外決済・課金の金銭的メリットの認知

アプリへの課金時に、アプリ外決済・課金を利用すると、アプリ内課金に比べて料金が安くなったり、同一金額で購入できるアイテム、コンテンツ量が増えるのが一般的です(アプリ内決済の料金にはプラットフォーマーが定めた手数料が転嫁されるため)。アプリ外決済・課金の最大のメリットといえる要素なのですが、この事実を知っているのはわずか16.2%にすぎませんでした。

【グラフ】アプリ外決済・課金の金銭的なメリットの認知状況(全体)

【3】スマートフォンアプリへの課金時の決済手段

アプリへの課金時に利用する決済手段を、「最も利用頻度が多い(単一回答)」で調査したところ、「クレジットカード/デビットカード(43.2%)」「PayPay(27.7%)」が1位、2位となりました。アプリ外決済を導入する際には、PayPayに代表されるいわゆるQRコード決済の導入が必須といえそうです。

【グラフ】課金時の決済手段(最も利用頻度が多いもの)

【4】アプリ外決済・課金の利用と金銭的メリットの関係

アプリ外決済・課金の利用意向を高めるために、アプリ事業者はどの程度の金銭的な優遇をするべきなのでしょうか。本調査では利用意向が高まる、割引率・増量率についても調査をしています。
調査の結果、わかったのは「10%以上、20%未満」の水準がひとつの分かれ目になるということ。「50%以上」という回答を理想論として除外すると、20%以上の割引率・増量率を求めている消費者はそれ未満に比べて明らかに少ないからです。

【グラフ】アプリ外決済・課金を積極的に利用したくなる割引率・増量率

【5】アプリ外決済・課金への心理的ハードル

アプリ外決済・課金の利用にあたっての、最大の心理的なハードル(懸念点や不安点)は「セキュリティや個人情報保護への対策は万全か」でした。回答者全体の40.3%が選択しています。
興味深いのは「課金しすぎてしまいそう」が14.1%と2番目に多く選ばれていることです。高いと感じていたからこそ抑えられていた課金回数や課金アプリの数が、割引や利便性向上により増えてしまうことを懸念している可能性があります。

【グラフ】アプリ外決済・課金への心理的ハードル(最も大きなもの)

■まとめ

今回の調査ではっきりとわかったのが、「アプリ外課金・決済」という手段、金銭的なメリットに対する認知度の低さです。課金によるアイテムやコンテンツの購入が「割安になる」という直接的なメリットがありながら、60%以上の人がその存在すら知らず、80%以上の人がメリットを認識していないのです。

背景にあるのはプラットフォーマーが定めたガイドラインです。これまで日本国内では、プラットフォーマー公式のアプリストア外での課金に対する直接的な誘導が厳しく制限されており、アプリ事業者が自由に訴求・情報提供することができなかったのです。

アプリ外課金・決済について、消費者が得られるメリットと認知度には大きなギャップが生まれています。アプリ事業者は、第一に正しい情報の提供に努める必要があるでしょう。情報ギャップを埋めることが、消費者の満足度を高め、ひいてはアプリ事業者のビジネス拡大、イノベーションの促進につながるはずです。

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■調査概要

  1. 調査名:スマホ新法とアプリ外決済・課金についての消費者調査
  2. 調査期間:2025年9月19日~2025年9月20日
  3. 調査方法:インターネットアンケート調査
  4. 調査対象:日常的に「iPhone」「Androidスマートフォン」を使用している方 1,860名

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